EC運営の見えづらい業務の整理が業務効率化を実現する

関口

ネットショップ担当者のタスクEC専門で20年、数多くの企業のEC事業部を見てきましたが担当者の疲弊と直面することが多々あります。お話を聞きながら日々の運営業務を整理していくとシステム間の連携のためのCSVの過剰な出力や上長への報告資料の作成、ツールベンダー各社とのコミュニケーションなど組織管理上、棚卸ししづらい見えないタスクが多数見えてきます。

システム費やツール費、広告費用など見える化しやすい費用の一方で、こういった見えづらいタスクによるリソースがEC事業に関わる人件費を膨張させていて、結果、利益を圧迫している事業者が多いのではないかと思います。

 

自社独自システムは作った後の方が大変であるという事実

自社システムにより作業増加

一番よくあるケースが特定の社内システムが社内またはシステム会社に依頼した独自開発で、API連携をはじめとした各種ツールとの連携ができず、汎用性がないというケースです。これによって生じるタスクは膨大で、受注連携をするためにCSVを2回出力して関数で繋ぎ合わせて・・・といった本来は必要ないタスクがシステム依存によって見えないタスクとなって担当者の日々のルーティーンに組み込まれている状況を良く見受けます。

消費者のためにやるべきことを実現するために、ASPやパッケージシステムでは補えないことを自社システムで実現することは必要ですが、果たしてそれが今なのか、10年前に作ったシステムを中心に事業設計をしていないか、今一度不要なタスクを断捨離するプロセスがあっても良いのではないかと思います。

 

実はそこまで細かくしなくて良いはずの社内資料

2つ目によくあるケースは社内報告資料が複雑であり、細かすぎるケースです。最近ではBIツールの普及によりレポーティングの可視化がとても簡単になりましたが、レポーティングツールにコストをかけられる企業はそこまで多くないはずです。そもそもそこまで細かいレポートが必要なのか、上司が必要な数字は何なのかを明確にすることが大切だと思います。

KGIをEC事業の売上と置いた場合、KPIは集客数、購入率、客単価、リピートなどが挙げられます。ここに直帰率やページ/セッション、離脱率などアクセス解析ツールで抽出できるデータが多く細かいが故に、報告資料に余計な数値が混じっていることがとても多いように感じます。これは担当者側も上司から余計な数字を突っ込まれることがありますし、上司側も本質的な意思決定がブレてしまうリスクがあるため双方に良いこと無しだと思います。会社の体制にも寄りますが、EC事業部内が細かく細分化されている企業以外は、上述のようなユーザーフローの概念はあまり必要なく、あくまで次の打ち手を考える際の参考材料として活用すべきではないでしょうか。

 

代理店コミュニケーションが多くなると代行メリットはなくなる

代理店とのコミュニケーション

3つ目が代理店やツールベンダーを細かく使い分けていることで日々のコミュニケーションで疲弊してしまうケースです。代理店をうまく活用して戦略や戦術を考える時間を増やすという考え方は大賛成ですが、CRMはA社、リスティング広告はB社、サイト構築はC社、システム保守はD社といったように細分化し過ぎると情報の共有や取りまとめといった見えないタスクがまた生まれ、結局担当者に降りかかってます。これでは運営の一部を代行するという時間的メリットよりもコミュニケーションによる時間の消費が上回ってしまいます。

 

小さなことでも業務効率化が生まれる

ネットショップの業務効率化

実際に業務効率化を実現した事例の中には大小様々な業務効率化があります。

事例1:代理店5社を1社にまとめたアパレルメーカーA社

リスティング広告、DSP広告、システム保守、サイト制作、コンサルティングをそれぞれの代理店に依頼していたA社は代理店からの報告のみで毎月6時間、社内への報告資料の作成と取りまとめで5時間ほどの時間を割いてましたが当社にて一本化。結果、キャンペーン企画立案や商品開発など戦略に関わる時間を8時間増やすことに成功。

事例2:自社独自システムからASP移店を決断したスポーツ用品メーカーB社

5年前に構築した自社システムでECサイトの運営を行なっていましたが、バージョンアップなどの保守コストと基幹システムへの未連携による業務の煩雑化からASPへの移転を決断しました。APIの自動連携によるアップロードファイル作成時間の短縮と在庫、商品データ、受注の一画面管理化により20%の業務効率化を実現、合わせて月額費用を7万円コストカットすることに成功しました。

事例3:社内資料を毎月手で作っていた生活雑貨メーカーC社

C社は、代表への報告資料を毎月週次、月次でレポート作成し報告をしていて、GoogleAnalyticsを適切に設定していなかったことで複数のデータを出力しExcelで結合する作業を行なっていました。ASP間での移転を行い、GoogleAnalyticsのEコマース設定とクロスドメイントラッキングの設定を実現したことでレポート出力が簡略化。そもそも報告スキームが撤廃され、カスタムレポート内で都度確認するという方向に変更になりました。

上述の事例のように小さな設定1つ見直すだけでも、日々の業務は劇的に改善することがあります。上司に伝えてもなかなか理解してもらいづらいタスクも含めて一度EC運営業務を整理する機会を作ってみてはいかがでしょうか?

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