運用型広告代行の価値が作業から頭脳へ

関口

運用型広告の価値のシフト

GoogleやYahoo!をはじめとしたリスティング広告や、様々なサードパーティデータを用いたDSP広告、近年のトレンドでもあったSNS広告まで様々な運用型広告をミックスして活用している企業が増えています。EC事業部が一定の規模がある、またはルーティーン作業の外注をうまく活用してインハウスでプロモーション施策を行なっている会社もありますが、いずれの施策もWEB担当者が、普段の業務の片手間で運用することは難しく、広告代理店に外注することがほとんどだと思います。

ここ最近、この運用型広告の外注の在り方、価値が大きく変わりつつあると感じています。従来までの広告代理店は「広告運用という作業」を代行することでフィー(代行手数料)をいただいていましたが、近年のAIや自動運用の普及によって、フィーの概念が作業代行に対する対価ではなくなってきていると思います。そしてこれは運用型広告を外注する広告主も、代行の価値を作業ではなく、頭脳として業者選定することが求められています。

広告の調整は既に自動の時代

数多くの広告代理店の提案資料、広告運用を拝見してきた中で感じるのは広告の運用自体がAIをはじめとした自動運用にシフトしてきていることで、運用パフォーマンスによる差別化が出にくくなっていることです。「自動化=リソースが最小限になる」ということから広告代理店の中にはフィーのディスカウントに取り組んでいたり、サポート体制や打ち合わせ頻度、レポーティング濃度といった別の形で差別化を図る企業が増えているようです。

ジェネラリストがクライアントに選ばれる

ジェネラリストの性質

広告運用というスペシャリスト性質のスキルがシステムに置き換わることから、上述で述べたような「コミュニケーション」、「伝え方」がクライアントの目標達成において重要な要素となってきます。ここで言うコミュニケーションは広告単体の話ではなく、事業収益に影響するKPIすべてを網羅できるジェネラリスト性質(コンサルティングスキル)であることから、広告運用代行は広告のみを報告することは既に時代遅れになってきているのではないでしょうか。

専門領域の壁が壊れ始めている

WEB業界では「餅は餅屋」の考え方が根深く浸透していて、制作は制作会社、広告は広告代理店、システムはツールベンダーなど1つの事業を支える企業は複数であることが一般的でした。しかし、これらスペシャリストスキルのすべてが人である必要がなくなりつつある今、制作会社が広告事業に参入したり、広告代理店が運用代行事業に参入したりなど総合支援化が加速し、個々の事業領域の壁が壊れ始めています。ここで気をつけるべきは、表面上の総合支援の場合、下請け企業への丸投げにより、1プロジェクトに関与する企業、人が増えてしまうことです。これは伝えたはずのクライアントの思いが歪曲して伝播され、結果、クリエイティブや戦略がバラバラになってしまうというのはよくあるケースだと思います。(けっこう目にするAIDMAの総崩れ参照)

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