株式会社Eストアー(本社:東京都港区、代表取締役:石村賢一、東証4304)は、提供するSaaS型ECサイト構築システム「ショップサーブ」に、購入者のIPアドレスや利用ブラウザ、行動パターンからクレジットカード決済の不正利用のリスクを判定する「クレジットカード本人認証サービス(3Dセキュア 2.0)」を2021年5月に開始します。なお、本サービスの実装に関する発表は、国内ECベンダーとして初となります。
■256億円のカード不正利用がもたらすチャージバック被害
日本クレジット協会の発表によると、2019年のクレジットカード不正利用の被害金額は256億円にのぼる被害が報告されています。カード所有者を保護する目的から、不正利用などによりカード所有者が利用代金の支払いに同意しない場合、カード会社がその代金の売上を取り消すチャージバックが発生します。ECサイトでこの不正利用によるチャージバックが発生した場合、発送した商品は戻らず、代金回収もできないという、EC事業者にとって深刻な被害となるケースが発生します。
■最高250万円。発生1位はファッション分野で最多
2020年、当社ECシステムにおいても、1件当たり最高250万円のチャージバックが発生。店舗カテゴリ別には1位 ファッション・アクセサリー、2位 生活・インテリア・家電、3位 美容・健康と、幅広い分野の店舗において、チャージバックリスクを抱えていることが伺えます。
■国内ECベンダー初。チャージバック被害を回避する「3Dセキュア2.0」を搭載
不正利用によるチャージバック被害を回避することを目的に、この度、SaaS型ECサイト構築システム「ショップサーブ」に、2021年5月、「3Dセキュア 2.0」を開始することとしました。これは、購入者のIPアドレスや利用ブラウザ、行動パターンと購入情報を照らし合わせ、不正利用のリスクを判定。リスクが高いと判断された取引のみ、毎回パスワードが変化する「ワンタイムパスワード認証」やスマートフォンに搭載された「生体認証」を要求します。本サービスの開始により、認証された注文は不正利用によるチャージバックが発生した場合でも、カード会社が負担するため、EC事業者は不正利用によるチャージバックを回避し、安心して運営できるようになります。なお、本サービスの実装に関する発表は、国内ECベンダーとして初となります。
■「3Dセキュア 1.0」でなく、「2.0」のわけ
さらに、従来の「3Dセキュア 1.0」では、購入時に毎回パスワード入力の手間があり、かご落ちリスクへの懸念もありましたが、本サービスでは、多くの場合、リスク判定のみでフリクションレスに購入完了できるため、かご落ちリスクを最小化することができます。ショップサーブでは、このカゴ落ちリスクを鑑みて、「3Dセキュア 1.0」の導入を見送り、「3Dセキュア 2.0」の導入に至りました。
■システム搭載は準備万端。カード会社の対応拡大に期待
「3Dセキュア 2.0」のショップサーブへのシステム搭載は2021年5月時点に完了し、順次、クレジットカード会社の対応状況に応じ、提供範囲を拡大して参ります。「3Dセキュア 2.0」へのカード会社の早期対応を期待し、クレジットカード・決済関連業界とともに、EC事業者さまならびに、インターネットを通じて購入される消費者さまにとって、より安心・安全なEC社会の実現に貢献して参ります。