藤岡さんがオリジナル商品を作ろうと考えたきっかけは、音楽雑貨というジャンルで一般的に流通しているグッズはヴァイオリンやピアノなど有名どころの楽器ばかりに偏っていたこと、そしてマイナー系楽器が極めて少なく、稀に見掛けても作りがいい加減だったことです。
自身もファゴット奏者であり、全ての楽器がそろってこそのオーケストラだという信念を持っていたため、マイナー楽器グッズはニーズがあると考えました。その予想は的中し、創業以来マイナー楽器の売上げは良好です。現在までに様々な音楽系グッズの制作にかかわってきたプレリュード。企画の際にはまずモノのクオリティを第一に考えます。藤岡さんが納得できる腕を持った匠たちと対話を重ね、注記入りのイラストや写真、動画や音源、時には楽器そのものを資料に使い、時にはその楽器の音楽的な立場やイメージまでも捉えてもらってから制作が始まることも。そこから何度も試作を繰り返し、徐々にクオリティを上げていき商品として完成します。その制作期間は長いもので2年かかることもあり、藤岡さんが本当に納得したものだけを販売しています。
過去には、イベント出展期日に間に合わせるため実物の質感などが再現できないまま売り出したものの、全く売れなかった製品もありました。そのとき『そのクオリティに自分が納得できなければ、お客さんも満足することはない』と思い知らされたそうです。だからこそ、現在のようなクオリティ重視のスタイルに辿り着き、演奏者でも満足できるような、細部にまでこだわった質の高い商品が生まれているのです。現在、純粋なオリジナル品は1割程度ですが、今後の構想としてその比率を高めていきたいとのことでした。